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2012/06/21

6/20 大友香奈展 最終日 大貫美帆子さんの詩

大貫美帆子さんの詩について

大貫美帆子さんの詩との出会いは、三年半前の個展開催時です。
個展を観に来てくれた彼女は、別れ際に一冊の詩集を、そっとプレゼント
してくれました。彼女の私家版詩集『梨色のカーディガン』です。
本を開くと、彼女の内なる世界が、美しい詩の言葉で綴られていました。
夢の中を漂うように幻想的で、美しい映像が浮かぶと同時に、濃厚な感触が、
色や香りと共に呼び起こされたのを思い出します。

今回、その中の「深い苔の森で」という短い詩を、私なりに絵にしました。
初めて読んだ時に広がった青く白い森の景色を、いつか絵にしてみたい、と
ずっと思っていたからです。しかし、残念ながら、この森を絵で表現しきれ
なかった心残りがあります。眠りの時に見た夢を言葉にすることが難しいよう
に、深く広がっていくこの森は、永遠に描ききれないのかもしれません。
 
今回の展覧会に際し、「深い苔の森で」の詩から絵を描く試みに、彼女は
快く賛同してくれ、そして新たに描いた作品に、素敵な詩をつけていただき
ました。言葉を添えてもらったことで、私は描いた絵の中へ、もう一歩深く
入っていけた気がしています。大貫さんの、永遠に広がる森のような豊かな
心と、繊細で美しい才能に、心から感謝します。

大友 香奈


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雨が降るたび、大友さんの絵は、雨に合うねと言われていました。
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大友さんの絵を見て下さった方が、もう一度来て下さったり、
版画家の方が画集をお届け下さったり、ご近所の方が素晴らしかったからと
香奈さんにベーグルを買ってもう一度お見えになったりと、何だか不思議に
心に届いた展示でした。